とりとりとりぴ

ちょっと残しておきたいことをまとめています。

読書ログ: これが物理学だ!

ウォルター・ルーウィン 著
東江一紀

マサチューセッツ工科大学教授の感動講義をまとめた本。 指導教員の部屋に本が置いてあったのでお借りした。

高校の時に物理と化学を履修していたのだが、物理はテストの点数が毎回悪くあまり好きではなかった。 そのため、数学は嫌いではなかったため情報系の学部に進学し、1,2年生までは物理とは無縁の生活を送っていたが、 研究室配属で気象系というなぜか物理をゴリゴリに使う研究室に進んでしまい、現在に至る。
※物理というか、微分積分に関連した数学という方が近いが。

本の形式は最初から半分くらいまでがルーウィン先生のMITでの講義内容をメインに語られる。 振り子の実験や、寝転がって身長が伸びるかどうか、水圧の実験など面白いものが多い。 一部の講義はYoutubeでもみることができる。

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後半のパートは、(おそらく)ルーウィン先生がメインで研究している惑星やブラックホールの話が出てくる。ここからは少し専門的というか、前半と比べると学術的な話が多く、専門用語もたくさん出てくる。しかし、少し物理を齧った人間であれば、多少わからない単語でも読める話となっている。

中性子星ブラックホールの話についてはわからない話でいっぱいであったが、私が読んでて特に驚いた点は連星である。一等星であるシリウスは連星であり、シリウスAとシリウスBが存在する。しかもほとんどの星が連星であるというのだ。星のことなど全く知らなかった私はシリウスにAとBが存在すること自体びっくりだった。

シリウスBとは | シリウスBチャレンジ

この本のすごいところは、物理の面白い部分をつまみ、日常と絡めて数式なしに興味をそそられるように説明しているところである。個人的に感動した部分である。最終講の最後の章に「大切なのは箱のふたを開くこと」とある。ここで「教えるものにとって大切なのは、知識を箱にしまい込むことではなく、箱のふたを開くこと!」そして、「物理学を学生たちが本当に興味を持っているものに結びつける方法をとることだ。」とある。

大学の授業では単位のために授業を取らなくてはいけなかったり、必ずしもその分野に興味のない人も授業を受けることになる。そうした人たちにとっても興味を持てるような授業をするルーウィン先生には感銘を受けた。もし、自分が教える立場になった時に、こうした考えを持てるようにしていきたい。

その他のめも

-> 後書きでたくさん画家の名前が出てきた